無職1208日目
今日の一言
そんなわけで、本日は昼からラーメン屋初出勤だった。何か店側の都合で、研修受けてから一か月も間が空くことになってしまった。いやまあこの一か月は私もまあまあ忙しかったので間が空く分にはこちらも問題はなかったんだが、果たしてマトモに働けるのだろうか。
公共交通機関に揺られ、少し早めに到着し、店に入る。諸々を教えてもらったがそんなもん一発で覚えられるならそもそも1000日以上無職なんかやってない。
そしてなんともタイミングの悪いことに、死ぬほど注文のややこしい人間ばっかりが今日は店に集結していた、らしい。大体替え玉4回もバラバラに頼むなよ、4回くらい替え玉するかもなと思ったら一発で4回分頼めよなどと心の中で思いつつ、空いた容器を下げ、麺やらスープやらが飛んだ机を拭き、備え付けのコップやら箸やら水やらを補充し、取り敢えず「らっしゃっせー!」と声を張る。初日で何もわからんなら出来ることからやって賃金をもらうのが鯉王の務めである。
難関は端末での入力と店内図の把握だとわかった。ラーメン一つとってもやれトッピングやらサイズやら麵の硬さやらと入力する内容が多い。それが店の中の席の配置と連動しているので慣れねばできないものだなと思った。全ての飲食店のホールやってる人への尊敬の念は昔から抱いてきたが、今日働くことで、更にその尊敬の念を強めることになった。
しかし体力面でいえばスーパーの品出しや寿司握る作業、早朝の運送会社よりも負担が少ない。精神面でも確かに変な客や端末での入力は四苦八苦するが、市役所勤務に比べればマシである。公務員やろうと決めた若かりし頃の自分を、過去に戻れるなら殴り飛ばしてやりたいと思ったことは多々あったが、存外役に立つ経験だったのかもしれないと最近になって思えてきた。いやでも過去に戻れるなら多分公務員は死んでも選ばねえ。
そして緊急事態宣言こそ発令されていないものの、このコロナ禍において店に飯を食いに来る人が割と沢山いることに驚いた。確かに店内はパーテーションで区切られているし、今日習った消毒とかも徹底している。しかしラーメンを食う以上マスクは外すことになる。それでも多くの人がラーメンを食いに来ているんだなと思うとなんだかなと思った。そもそもオリンピックはやるけど国民は自粛してねっていうのが無理あるんじゃないか?まあこの国ではよくある二面性だからどうにもならんといえばどうにもならんし、そうなると国民も外出する用になるのはまあさもありなんという感じだが…。
バイトを上がる頃には全身汗まみれになっていた。店の社員の人がいうには「まあ慣れですね」ということだったので慣れる必要があるのだろうが、次の勤務は1週間後なので慣れもクソもないのではないかと思わなくもない。そして衝撃の事実が発覚した。私が先月一緒に研修を受けた若者が居たのだが、彼はバイト初日に働き、勤務後にそのまま退職の意向を示したとのことだった。その若者はラーメン屋では己の望む何かが手に入れられないと思ったのだろう。人には人の事情がある。ちなみに、「えっいざとなったら私も発動させようとしたカード既に使われてるやん」と心の中で思ったのは内緒である。しかし最長で来年の三月、最短で今年の夏までしか働けない身であるため、いつかは退職を伝える必要が出てくる。そのタイミングを見極めざるを得なくなってしまった。辞めるなら早い方が良いのは鉄則である。変にズルズルと行き続けたら仕事を教える人の手を取るばかりでなく、仕事を覚えたと思った矢先に辞められたらたまったもんじゃないだろうからである。
帰りにその近くのスーパーに寄り、諸々を買い込み、公共交通機関に揺られて帰る。明日から世間は四連休なのかもしれないが、鯉王は休みに左右されるバイトをしているわけではないので、明日の早朝も勤務である。