無職498日目
朝5時半に目が覚め、少しぼーっとしてから朝飯を食う。
今日は刻みネギ玉天かす麺つゆ麦飯である。平たく言えばちょっと豪華な卵かけご飯。美味い。
少しうつらうつらしていたが荷物を手にいざ行かん試験会場へ。
試験会場は駅近シャレオツビルだった。なんとこれ、大学らしい。私の1回目の大学生活で毎日のように通い詰めた大学とはえらい違いだ。
その近辺のコンビニで飯を買い、悠々と試験室へ。早速菓子を食う。
周りを見渡した限りでは、私は早くについた方のようである。模試の恒例行動、トイレと非常口の位置を確認する。そして判明する衝撃の事実。
このシャレオツビル、ワンフロアのトイレの数が異常に少ない。ここは駅近辺の商業施設じゃなくて大学のはずである。何か用途を間違えているんじゃないか。
そして一時期「ピ逃げ」として物議を醸した出席管理システムの機械らしきものを見つけた。なんだかハイテクな建物である。いやまあ大学だからハイテクなのは当然かもしれないけど。
「ピ」も「逃げ」も出来ないし、そもそもそのシステムもないような講義ばっか取っていた記憶を振り返りつつ今日1日の行動指針を決める。最早「模試はセンター試験当日の練習」という姿勢は捨てた。模試とは読んで字のごとく、あくまで模擬試験にすぎない。これだけ過密に組まれたならば、それなりに行動するだけである。
タピオカを求める人々の列よりも長くなるであろうトイレの列、そして休憩時間が10分という短さを思うに、今回は色々とえげつなさそうである。
そうこうするうちに試験監督員がやってきて、準備を始める。利潤追求からか、申込者殺到からか、3人掛けの席に3人座らせる形態となっていたが幸いなことに私は通路側。有難い。
そして間の人はまだなのかもうなのかはわからないが来ない。
試験開始10分前に問題冊子が配られる。
そこで間に座る人がやってきた。ザ・窮屈。
そしてクル◯ガでマーク試験に挑む猛者だった。新手の縛りプレイか?(しかし試験室内を見渡すと割とシャーペン1本で受けにきている人が多かった。最近の傾向か?それとも鉛筆を持ったことのない世代?流行り?めちゃくちゃ余裕であることの表れ?)
地歴公民(私は日本史B)を可もなく不可もなくで乗り切り、国語に向かう。
これは60分前後で解き終わったため、悠然と試験中にトイレに向かう。
少しイージーな感があったが、採点してみないことにはわからない。建寧王倓は人間が出来すぎているなと思った。人間が出来すぎていて開始5分でめちゃくちゃ感動した。
更にリスニング。ヘッドホン申請はちゃんと通っていたが、飛行機のエコノミークラスで配られるような簡易なヘッドホンだった。
そして件のク◯トガ氏のイヤホンからの音漏れが半端ない。なんだかあんまり出来は良くない気がする。40点くらいで最低点をマークしそうだ。やっぱりリスニングのサボりは結果に出るんだなと痛感した。
昼飯。今日も元気だ飯がうまい。チョコボールを開けると銀のエンゼルが居た。ラッキーである。そして、何の気なしに昨日買ったおかきがめちゃくちゃ美味い。
昼飯後の英語。特に眠くなることもなく、55分くらいで解き終わる。悠然とトイレに行こうと思い手を挙げるも監督員が気付かない。監督員、輪ゴムでハンドスピナーしている場合じゃない。
漸く気付いてもらえたのが試験終了15分前。特に困ることもなく、自席に戻る。
狭い空間に謎に効きすぎる空調と劣悪な環境ながら、それでも模試は粛々と進む。
数学2連発で「無職秘技:空欄を素数で適当に埋める」が炸裂する。
途中休憩時間に最早絶滅したかと思われた「イキリすぎた浪人生」を発見し、謎の感動にこの身が包まれた。何のためかはよくわからないが、サインとか貰いたかった。絶滅していないことがわかったにしろ絶滅危惧級であることには変わりはないであろうので、その方の周りの方々には保護と温かい目をお願いしたい。お願いするだけで私は特に何もしないが。
私にはファッションのことはわからないが、多分あのような格好が今は流行りなのだろう。奇抜な(お洒落な?)服装に(恐らくは)確かな学力。そのままその道を突っ走って欲しいと願うばかりである。
受験生の仕事はルールに則って真っ当に試験当日に合格点を出すことであるため、「点を出す」ということに繋がるならば、凡ゆるルールに則った事柄を謙虚に行う必要がある。それがファッションであれ、音楽であれ化粧であれアロマであれ文房具であれ受験スタイルであれ気の持ちようであれ。何であれ人に迷惑をかけず試験のルールを守って(ここ重要)自分の得点効果を高められるならばやっていく、という姿勢は割と重要なのではないかと私は考えている。
それはさておき最後の関門、理科が待ち受けている。
生物は代謝や遺伝子に関する問題が多数出てきた。数日前にS台でやったのに出てこない。
化学は「理論化学」に名称変更した方がいいんじゃないかと思うほど理論分野に偏っていた。試験範囲じゃないのは高分子とかだけよな?と何度も思いながら問題を解き進めていた。途中まで「化学基礎」の問題を解いているのではないかと思うほど理論化学しか出てこなかった。つまりはここ最近力を入れていた無機有機化学の問題が出なかったというわけである。これは化学から先に解いていたら心が折れていたかもしれない。これぐらいで折れていたら無職の名折れである。
試験終了後人混みを避けてビルを出る。シャレオツなだけで受験生的にはここでの試験を避けてほしいと願うばかりの会場であった。トイレに「ルールを守ることは社会人への第一歩です」などと書かれているあたりFランっぽさがある。
帰りにジャンカラに寄るかと思ったが、緊縮財政のため見送った。帰りの公共交通機関がなくなる可能性があるというのもある。駅近くの本屋に寄ると、先ほどまで同じ試験を受けていたらしき「イキリ浪人生」を多数見受けた。この種の人々は最近割と予備校で見かけたので特に感動はない。
長文問題対策として「九大の英語」と「神戸大の英語」をパラパラとめくってみたがどうもしっくりこない。
生物は「東大の生物」を解きまくる時期を早めに来ささなければと思いつつ、まずは目の前の問題集なり何なりを極めることからと考えこれも見送った。生物一問一答みたいなやつを見つけ、センター対策にこれに取り組んだ方が良いのではないかとめちゃくちゃ迷った。
1時間ほど公共交通機関に揺られ、帰路につく。アパートの階段を上っていると業務用扇風機かと思うほどの羽音の虫か何かが飛来する。そのまま私の後頭部あたりでバタバタやっていたので強引に振り払い、階段を上った。割と大きめな虫が階段のあらゆる所にぶつかっていた。下手なホラーよりよっぽどかホラーだぜ。
素麺を茹で、食す。何だか面倒になったのでシャワーだけ浴びて休むことにする。