なんかもう終わり方が陰鬱なのである。一つはスターリン時代に側近となった映写技師の話なのだが、展開も陰鬱でラストも陰鬱である。主人公の妻がKGBの高官に犯されてからの色々あっての自殺という展開がある。その間も夫である映写技師はスターリンまっしぐら、ソ連万歳である。鬱すぎる。途中の描写でソ連が行ってきた民族政策に関する話がある(恐らくここを見せたかったのだろう)のだが、何となく現代における様々な情勢を見るにつけてこの映画を思い出す。

ちなみにこの映画、アメリカが制作している(一応ロシアやその他の国も制作に関係しているが)のだが、その辺色々と思うことがある。登場人物ほぼロシア人なのに英語しゃべっていたりするが細かいことは多分ツッコまない方がいいのだろう。

もう一つはユーリイ・ガガーリンの話だったと思う(もう5,6年位前に観た話だから割と曖昧だ)。宇宙飛行士になるために訓練を積むパート、宇宙飛行士となって世界初の有人宇宙飛行を成し遂げるパート、でその後のガガーリンについて最後にテロップだけが流れる。そのテロップがまた陰鬱なのである。この映画の終わりの方で、一つの国家としてのソ連を推し進めていた国家の上層部と、その意識が国民(国民といってもいいのか?)に浸透していない様子が描かれていた(多分ここを見せたかったのだろう)。

で、最後に観たのが大学講師と戦争遺跡発掘家が第二次世界大戦時のソ連軍VSドイツ軍の激戦地(ウクライナにあるらしい)にタイムスリップする話だった。B級映画のノリ。続き物の続編だけを見ることになったが、どうやら1作目でもタイムスリップしていたようである(1作目は前期の講義で流したらしい)。そこで主人公コンビのどっちかが一目ぼれしていい感じになっていた女性がいたのだが、その女性は2作目で過去の人(ソ連軍の前線指揮官。主人公と前作でダチになっていたっぽい)と結婚して既に身重となっていた。人間関係複雑やなと思いながら観ていたらラストの方でまた鬱展開があった。途中激戦地から逃げようとするのだが、その女性に未練たらたらな男(と、潔く諦めろよと言う主人公コンビのもう1人)の描写がやたらリアルなのである。ちなみに邦題と原題でタイトルが異なるので要注意1 である。尚、主人公たちは神がかり的に弾を避ける。この時タイムスリップしたのは4人で、2人がロシア人(主人公コンビ)、もう2人がウクライナ人(なんか巻き込まれた人)なのだが、冒頭の方でその辺の確執が描かれていた。

そんなこんなで先日紹介した本も真相を知りたいと思いながら読み進めていたらロシア系な終わり方をした。まあミステリーやサスペンスではなくビジネス書だからその辺の面白さの追求をするのはお門違いっちゃお門違いだが、「ええ…?」となったのは確かである。ロシアでは特にそんな風には思われないのだろうか(これは上記の映画群についても当てはまることだが…)。

  1. 原題は「タイムソルジャー1」「タイムソルジャー2」とつけているが、邦題では1が「タイム・ジャンパー」、2が「タイムソルジャー」となっている。 []
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文系社会人を経ての無職。からの学生。 本業は医学生、副業は無職文系。

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