陰翳公務員

高校生の君へ

高校卒業後の進路として公務員を考えている人もいるだろう。よくわからないFラン私学に進学して就職難になるくらいなら…と考えたり、経済的に余裕がなく大学に進学できないから働こうと考えたりと理由は様々だろう。

しかし幾つか覚えておいて欲しいことがある。まず、高卒で入庁した場合と大卒で入庁した場合とでは初任給や昇進時期等の条件が異なる場合があるということである。国家公務員にしても地方公務員にしても職務に(〇〇卒程度)という区分があり、それぞれの初任給や給料の上がり幅等も募集要項に書いてあったりホームページに公開されていたりする。それをよく読んで計算することをお勧めする。経済的理由により止むを得ず、という場合でもその辺の情報は大事であるのでしっかり読み込むことを推奨したい。

次に、大学は行きたい時にいつでも行けるということである。何も18や19でないと行ってはいけないというわけではない。働いてお金を貯めてから進学するという手もあるし、放送大学や夜間の大学、通信制の大学、社会人入試という区分も存在する。定年退職してから行くことだってできるし、子供を育ててから行くことだってできる。自由な学問の府である。何が言いたいかというと、「自分が高卒だからといって大卒で入庁してきた人に対して理不尽な言動はするな」ということである。

入庁して1ヶ月も経過しておらず、ろくな研修も受けていない大卒の人に「学歴はあっても使えない」だの何だのと宣うような人を見かけた。どうやら話を聞いてみるとその人は高卒であるらしい。経済的に困窮していたわけでもなく、高卒で働くと決めたのは自分であるはずだから、ハタから見ればただのひんねしである(日常的に使う言葉だと思っていたが調べてみるとこれは関西の方言らしい。ニュアンス的には嫉妬、妬んでする意地悪を意味する。へんねしとも言うらしい)。

今の高校生がそんなことをするとは万に一つも思わないが、大卒に憧れるなら大学に入れば良い、経済的に余裕がなくて進学できず、それでも大学進学を諦められないならひんねしの一つでも言う前に資金を貯めて勉強をして今からでも大学進学を目指せば良い、というのが私の持論である。まあ少なくとも人に嫌味を言う人間がそこまでの努力をするとは思えないが。

最後に一言？

公務員となって地域・国家のために何かしたいという動機は心の底より尊敬する。公務員を目指す人にとって役に立つ記事というわけではないが、その進路形成の一助となれば幸いである。

そして全ての何かの目標を目指す人の前途に幸多からんことを願う。少なくとも公務員を目指す人の前に謎のクレーマーや理不尽なパワハラ上司が現れないようにと願いたい。

また気が向いたら独学で公務員試験を受験しながら民間就活と教育実習を同時期に経験した記録を書く。