無職1387日目
お次は数学IIBであるが、これまた特に何といってすることもない。どのみち時間とのスリル満点の戦いを楽しむだけである。全部勘で書いた。
そして数学IIBの後もスーツケースが何かしら試験監督にぶつぶつ言っていた。
2回くらい試験監督から注意が飛んでいたし、それにも素直に従わないような感じであった。順調に老害ムーヴをかましているスーツケースの相手をしなければならない試験監督がちょっと気の毒である。
そしてスーツケース老人は受験番号的にスーツケースの座席の付近に座っていた女子高生に自分から話しかけに行くなどの暴挙に出ていた。
現役生よりも1.5倍1 ほど歳を食った鯉王ですら、女子高生はおろか男子高校生や浪人生にだって声をかけるのが憚られるのである(憚られていた様子は昨日の記録にもある)。
それにもかかわらず、である。
見た目年齢的に彼ら彼女らの3.5倍くらい歳食ってる(鯉王換算で行くと約2倍くらいの歳である)スーツケースはなんで話しかけにいけるんだ。オミクロン株の感染も拡大しているというのに。
私が18の時に試験監督の方から注意されていた爺さんから話しかけられたら絶対「何やねんジジイ」とかって言っちまうだろう。
鯉王はセンター試験や共通テストは基本的には現役生が「お客様」である試験だと思っている。歳食った受験生は枯れ木か案山子くらいの存在であるため、他の受験生の迷惑になるようなことはするまいと決意して鯉王は社会人から今に至るまで受験してきた。
そんな訳で高校生から話しかけられるならまだしもこちらから話しかけに行くのはまずウザがられるだけであると思っている。それに逆の立場で考えると私が高校生なら私のような人物に話しかけられたら「うぜえな…」と思ってしまうかもしれない。
それを件のスーツケース老人に話しかけられた女子高生は嫌な顔一つせず受け答えをしていた。彼女の志望大学は彼女に満点をあげてくれ。
などと考えながらトイレに行こうと廊下に出たら、さっきの女子高生が彼女の友達と廊下で話をしていた。
彼女らの横を通り過ぎたとき(丁度トイレ周辺が高校生のたむろできるスペースになっていた)、さっきのスーツケースに話しかけられていたのを見ていた彼女の友人らしき女子高生が丁度彼女に声をかけているところであった。
私がその女子高生のダチだったとしても「さっき爺さんに話しかけられとったけど大丈夫やったか?」とかって聞いているだろう。
盗み聞きをする気はなかったし通りすがりで聞こえてきただけだが、やはり女子高生は内心では面倒だと思っていたようである。
「いやそうだよなアラサー無職文系の鯉王ですらウザいスーツケース爺さんだなと思っていたのにその爺さんに話しかけられた女子高生がそう思わないわけがねえよな」などと謎の安心感を覚えた。
そして理科に移る。こちらも特にどうということはなく、何の準備もしていない。
どちらも時間いっぱい問題と格闘した。いや半分くらい勘で書いたかもしれない。しかしそれを言い出すと国語や英語なんかは100%直観だ。
全ての日程を終えた試験室に独特のホッとしたような疲れまくったような空気が流れる。荷物をまとめて10年前と同じように手洗いに立ち、外に出ると月が輝いていた。
送迎バス乗り場に向かい、バスに乗る。単に屯しているのかバスを待つ列なのか判別のつかない中若者たちの一群を通り抜け、バスに乗る。車内は密以外の何物でもなかったが、高校生や浪人生は楽しそうに試験を振り返っていたと思われる。いやもしかしたら出来が悪かったけれども友達の手前そう言って場の空気を悪くするわけにもいかずにいた高校生や浪人生もいたかもしれない。
私は国語の教員をやってるダチに国語の試験の雑感や今年の問題形式、問題分量などをLINEでレポートするなどしていた。
バスを降り、駅に向かう。今日は丁度良い感じの時間帯に駅に辿り着けたようで十数分ほど待っていたら電車が来た。
電車に揺られ一路家を目指す。今日は昨日ほどは車で混雑していない駅前だった。
帰宅すると昨日同様速攻で風呂に入ることになったため、でかいラムネみたいな入浴剤を入れて風呂に入る。思ったより身体は疲れていなかった。恐らく昨年の肉体労働で少し何かを鍛えられたのだろう。
採点は明日の朝駅かどっかに新聞を買いに行ってからする予定である。
- 正確には1.61倍である。ちょっとサバを読んだ。 [↩]