無職1448日目
一体全体どういうことだってばよと考えつつも列に並ぶ。どうやら雨による渋滞で道が混雑し、バスの到着が大幅に遅れているらしかった。
バスの運行情報をバス会社のホームページから探す。私の乗ろうとしたバスは現時点で25分くらい遅れていた。
これだったら「遅れたときのプラン」で乗る路線に乗った方が早いのではなかろうか。
しかし、そのバスも遅れる可能性も無きにしも非ずだしな…
などと考える。雨は少し弱まりつつあったがまだ降っており、風は冷たかった。こんなの3月の天候じゃねえよ。
いやしかしかつて後期試験を受験した際も3月にもかかわらず急に吹雪だったりしたし、毎回自分の移動にはイレギュラーが伴うものなんだよなと思い直した。バスは35分くらい遅れていたがようやく到着し、いそいそと乗り込んだ。
バスに乗り込めたは良いものの、道自体が渋滞していたので遅々として進まない。そして人が多い。あと誰かがケン〇ッキーを購入してバスに乗ったのか、バス車内になんとも言えない香ばしい匂いが漂っていた。朝から殆ど何も食ってない私にとっては拷問に等しい。
バスも混雑した道を抜けてからはスムーズに進みだし、暫くすると人も疎らになってきていたので座席に座ることにした。
午後7時前に停留所に辿り着き、ヘロヘロになりながら降りて暗闇の中一路引っ越し元に戻る。この辺は街灯が少ないので、夜目の効きにくい私にとってはまあまあな難所だった。
取り敢えず引っ越し元に帰り着くと、親も若干放心状態となっていた。
親「今までの引っ越しに比して、今回は荷造りが甘かったな…」
鯉王「前日まで金稼ぎに行ってたしな」
親「引っ越し業者の方が13時くらいにインターホンを『ピンポーン』って鳴らしに来た時はどうしようかと思ったわ」
鯉王「すまん」
親が昼飯用にと買ってきていたおにぎりとサラダチキンバーを貪り食う。今日1日で3kgくらい痩せた気がした。あくまで気がするだけである。
親「マジで物って増やしたらあかんねんなと今日1日でまざまざと見せつけられたわ」
今日1番の名言を吐く親を眺めつつ、残った荷物やらゴミ類やらを分類し、捨てられる物は捨てに行った。
実家に今日中に帰り着くにはあと1時間のうちにここを出る必要がある。取り敢えず再度ここに来ることを前提とした上で、ここから引っ越し先に送る荷物とスーツケースに詰めてここから持っていく荷物をまとめ、鍵の返却日当日の朝に捨てる予定の資源ごみ類をまとめておいた。
それだけ済めばあとは何の問題もない。問題があるとすれば鍵を返却する日までにいつここに戻ってくるかと、ちゃんと資源ごみ類を捨てられるのかと、引っ越し先の片付けをいつ完了させるかと、これから実家に持ち帰る荷物類の重さくらいである。
親子共々疲労に満ち溢れながら公共交通機関に揺られ、なんとか日付が変わる前に家に帰り着いた。
無職文系時代にこれ以上に体感時間の長い1日を過ごしたことはないだろうと思えるほどの1日だった。流石に明日はゆっくり休みたい。