しょっぱなの数学。取り敢えず解き進める。なんか試験監督ズが私の周辺をうろつきまわる。残念ながらカンニングをするような能も脳も持ち合わせていない。どうやらカンニングの疑いというよりは座席の受験番号に関する話し合いのようである。というかこっちは微分にΣに忙しいので話し合いはよそでやってくれ。

シャーペンを走らせていると「試験終了10分前です」のアナウンス。早すぎじゃねえか私まだ大問2個くらい残ってるぞと思っていたら別の型の終了時間だった。とはいえこの教室は理系ばかりが集っているはずだしその型はいないだろうと思う。しかし次で驚愕。数学Ⅲのいらない理系があるとは。驚きつつ何やらしつつ自分の型の終了時間が来たため試験を終える。そこからまた手際の悪さを存分に見せつけられることとなる。解答用紙枚数を数えるも、播州皿屋敷状態。その間に模試を受けに来た高校生や浪人生が騒がしくなる。民度低くね?と思ったが民度じゃなくて若さがなせる業なんだよと思いつつ試験監督の手際の悪さを眺める。次の英語まで10分を切っている。あと解答用紙を提出していなかった人が見つかりましたってどういうことだよ。

試験監督長っぽい人が早口言葉もかくや、というスピードで注意事項とかを読み上げているが、君が挑戦しているのは早口言葉ではない、ただのアナウンスだ。そして注意事項を何故か二回繰り返して読み上げることの意味がよくわからない。英語のリスニングじゃあるまいし。

しかも言っていることが途中から無茶苦茶になっている。なんなんだ。

手早く手洗いに立ち(どうせ次の英語は時間が余る)、相変わらず騒がしい模試受験者(もはや雰囲気は学級崩壊手前のクラスである)を眺めながら準備をする。

試験監督員のアナウンス「問題冊子を列ごとに配布しますが、人の居ない座席は、その座席に前の時間人がいた痕跡のある場合には冊子を置いて後ろまで配っていってください」(割と頑張って文字に起こしたが、実際はこれ以上に論理がボロボロなことを言っていた気がする)

???

いや、前の時間試験に出ていたとしてもこの時間も試験を受けるかどうかはわからないのでは?

まあそんなことより目の前の試験だ。同じ記号がめちゃくちゃ続くぜ。サルサと生物学極めた人の話が出てきて、「とんでもねえ超人がいる」ということしか印象に残っていない。そしてやはり時間が余ったので手洗いに立ち、周りが試験している中廊下を歩きつつタップダンスとかめちゃくちゃ踊れたら楽しいだろうな、と考えた。大学によくあるダンスサークルの人々が必死に踊りまくっていたのはそのためか。

そして最早恒例となりつつあるグダグダ感の溢れる答案回収時間。何回同じことを繰り返して言うんだよ、と思うと同時に「逆にそこまで言われてどうにもできないようなら試験本番もまともに行動できないんだろうな」「そういう感じの人が大学生になって株とか就活セミナー(笑)に騙されて大金を巻き上げられるんだろうな」と思ったりした。まあ真面目過ぎてカルト集団が隠れ蓑にしているサークルに入信したり、教育ママからの監視の目の届かない生活になって学費をパチンコに全部つぎ込んだりする大学生もいるので一概には言えないが。一回目の大学生活でそういう感じの事例を多々観察してきたが、今の10代後半の人たちはどんな感じなのだろう。

受験届の記入という模試の恒例行事においても試験監督員の論理破綻節は健在だった。なんかもう途中から笑いそうになっていた。笑ってはいけない全統模試。少子化の影響をモロに受ける産業はつらいな。でも客商売でもあるから試験監督員もそこまでムキになって注意しなくても良いのでは感もある。若者だもの、受験届書き終わったら早弁の一つだってしたくなるのだろう。だってもうすぐ14時じゃんか。 働いていたらもうマトモに飯すら食えない時もあるからある程度は調節可能だけどとりあえず腹減ったので早く枚数数えてくれ。

最後の理科。無職文系になってから驚いたのだが、全統系の模試の終了時間のなんと早いことか。理系で国語がないって楽でいいなと思った。同時に、(それが原因かはわからないが)理系で国語がないだけでここまで教室が騒がしくなるのか、と思った。やはりハイパーつよつよ受験生にお目にかかるには国語がいるのか。でも面倒くさいもん国語解くの。

生物でいつものノリで解いていたら時間切れになった。そして驚くべきことに、理科一科目で帰る人が割といた。この教室理系型だよな??私だけワールドシフトして「理系でも理科一科目でいける世界線」に来たわけじゃないよな???とテンパった。もしかしたら基礎を付した科目を二科目受験して帰っていったのかもしれない。今となっては解らない。そして、一科目で立ち去る受験生が二科目受験する受験生に話しかけたり中々退室しなかったり受験するんだかしないんだかわからなかったりして、またしても試験監督員のListen againが炸裂することとなった。しかしそこまで規範が守れない受験生がどうなろうが知ったこっちゃねえよと思わなくもない。試験本番にその人が規範を守らなかったところでその人の勝手じゃーん、という悪の組織に一人は居そうなヤツのセリフっぽくなってしまった。

お次は化学。夏の頑張りが実を結んだ———ってなればいいが、正直な話自信はない。我々は自分の人生の主人公ではあるが、我々の歩むシナリオに必ずしも主人公補正がかかっているわけではないし、主人公が優遇される世界でもない。 試験を終えても日は沈んでいなかった。

9月の初めだが夏の終わりの夕暮れ感がある。敷地内にスターバックスがあった。すげえな私学。

近くのショッピングセンターで靴を買う。丁度今履いている靴に穴が空きつつあったためである。毎日の山道鍛錬はやはり過酷ということか。

駅までぶらぶら歩き、駅からバスを乗り継いで帰路に就く。駅までの道のりの最中、7年前に自分が通った道に出た。そういやここのファミレスで飯食ったりしたなぁ。

体力的には疲れていないが、精神的に疲れた一日であった。

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文系社会人を経ての無職。からの学生。 本業は医学生、副業は無職文系。

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