10日後に共通テストを受ける無職文系

そんな訳で全身筋肉痛に見舞われながら朝から眼科にかかることにした。この病院は「まあまあ大きい病院代」を取るタイプの病院である。

実家から歩いて行けなくもない距離にある病院だが、最近は送迎バスなども出ているらしい。送迎バスの乗り場を目指して歩いていたところ、次のバスが来るのは20分後らしいとわかった。それなら歩いて行った方が早いと判断して路地を歩く。途中、近所の高校だか中学だかの野球部及びそのマネージャーと思しき生徒の一群がランニングをしている最中に遭遇した。

若いっていいよな。

田畑や住宅地の路地を歩いて進んだ先にある眼科はまあこの眼科においては通常運転だが混雑していた。眼科だけでなく他にも様々な科があるためであろうが、よくもまあこんなに年寄りが集まるなと言いたくなるような光景であった。

取り敢えずわからんので総合受付に向かうと、暫くぶりなので初診の扱いになること、また「まあまあ大きい病院代」を取られることを説明された。それは承知の上でここに来ているので、そのまま問診票やら個人情報保護やらコロナ関連の質問票やらに書き込む。

人が多すぎて問診票を書く机が密集以外の何物でもなかった。隣の老人がなんか受付の人に言っていたが私のリスニング能力では聞き取れなかった。

早々に記入し終え、眼科のある棟に向かう。この病院はここからが長いのである。眼科のある棟の待合室は年寄りでごった返していた。

この病院は望むと望まざるとに拘らず診察を受ける前に視能訓練士の方による視力検査やら眼圧検査やらを受けねばならないようになっている。まずそこに呼ばれるのが第一関門である。

病院のテレビではオミクロン株が猛威を振るっているというニュースをやっていた。ちらと入口に目をやると、様々な眼の病気に関するパンフレットが置かれていた。そこでさっき私が問診で書いた病名とかの漢字を間違えていると気が付き、なんか一人で赤くなったり青くなったりしていた。これ来週の共通テストの国語大丈夫だろうか。二十歳過ぎて漢字や語句の意味で失点するのはちょっと恥ずかしい。

本を読んだり老夫婦に席を譲ったりなんだりしていたら独特のトーンの視能訓練士の方に呼ばれた。

案外早くに呼ばれたなと思いながら検査を受ける。毎回眼圧を検査するとき眼を閉じそうになると「眼を閉じないでくださいね〜」と言われるのだが心の中で「無理無理無理無理」と思いながら頑張って眼を開くようにしている。しかし上手いことできねえ。

なんとか眼圧検査・視力検査その他諸々を終え、更に眼はしょぼしょぼになったような気はするがまあ視能訓練士の方に呼ばれたなら第一関門は突破したしすぐ診察室に呼ばれるだろうとたかを括っていた。

そこから1時間近く待つことになった。

この調子じゃ暫く待つことになるなと思いヘッドホンのスイッチを入れた1 途端、

“鯉王さん、◯診にお入りください”

のアナウンスが入るという「マーフィーの法則」的な感じになりつつ診察室に入った。

いきさつを話しつつ診察を受ける。左眼のめばちこができている箇所っぽい所(自分でも腫れている感はあった)を中心に見てもらう。眼科の先生が「この辺り腫れていた形跡がありますね〜」と左眼の瞼のあたりを触診する感触が痒気持ち良く、「アーイキソ」と言いそうになったがここは全年齢対象の健全な無職文系ブログ、いや違った(違わない)、ここは眼科、無言で触診を受けるに留めておいた。

眼の周辺及び眼球の画像を見つつ説明を受ける。私は瞼の裏側にめばちこができていたものだと思っていたが、どうやら今回は瞼の裏側ではなく目尻側の瞼の縁(つまり外側)に出来ていたようである。外麦粒腫ということだった。そして三が日近辺に粘り気のある液体が出ていたことからも、「治りかけ」なのではないかという話になった。

麦粒腫|公益財団法人日本眼科学会

どれだけアイボンやっても目薬さしても治らねえなと思っていたら内側ではなく外側だったのか。謎が解けてスッキリした。

腫れていたあたりにしこりがあるようだが、そこまで大きいわけでもなく、また悪性のものでもなさそうであるため手術等は必要ないとのことだった。眼の痒みに関してはアレルギー性のもののようだったので目薬を処方された。

また、めばちこ予防のために何かできることはあるかと尋ねると、「アイシャンプー」なるものがあると眼科の先生から教えてもらった。医薬品ではないためドラッグストアとかで買う必要があるとのこと。

取り敢えず切開とかにならずに済んだため、安堵と共に診察室から出た。これで第二の関門を突破したことになる。

第三の関門はお支払いである。毎回この病院のシステムがわからないのだが、支払い自体は他の科と同じ棟内ですることになっている。自分の診察番号が表示されたら自動支払い機で支払いをし、薬を処方される場合は総合受付で処方箋と引き換えられる半券を渡して処方箋を貰ってから出ることになる。

ただ、診察番号が電光掲示板に表示される前に眼科のある棟内で事務の方に呼ばれるパターンと、そのまま支払いのできる棟に向かうパターンの二つがあり2 、毎回どっちなのかわからない。そんな訳で眼科のある棟と総合受付のある棟をうろうろしていたら40分くらい過ぎてしまった。意を決して総合受付の人に尋ねると、どうも暫く眼科のある棟内で待つ必要があるらしい。急いで眼科のある棟内に戻るも、そこから更に待つこととなってしまった。

たまたまジイさんが事務の方にキレている場面に遭遇し(どうも待ち時間が長すぎるとのことでキレているようである)、その後に事務の方に尋ねると、案外すんなり診察番号の紙と診察券を手渡されることとなった。

総合受付のある棟内に戻り、読書しながら待つこと更に約30分。電光掲示板に私の診察番号が表示され、自動支払い機のある一角に向かい金額を見ると3,000円超となった。そして私の手元に現金は…

2,000円しかねえ。

所持金が4,000円あると思ってたが、昨日ICカードにチャージしたのを忘れていた。すかさずクレジットカードでの支払いに切り替える。自動支払い機でよかった。

病院を出て薬局に向かう道すがらに処方箋と引き換えてないと気が付き道を引き返す。本日何度往復したかわからない病院の入口に立つお姉さんが不思議そうな顔をしていたが気にせず手指を消毒し、処方箋を総合受付で入手して最後の関門、薬局へと向かった。

薬局内部は普段の如く混雑しているかと思いきや人影は疎らで、iMuseのタブレットが所狭しと陳列されていた。処方箋を薬剤師の方にお渡ししてから時間がかかるかと思いきや案外すんなりと呼ばれることになった。所持金が2,000円しかない状態で薬局に向かうのはデンジャラスでしかないと思っていたが、目薬と軟膏は現金で支払い可能な額であった。

薬局を出て歩いて帰るかと思ったが今度は丁度送迎バスに間に合いそうな時間だったため、送迎バス(マイクロバスみたいなやつである)のお世話になる。そのまま駅内のコンビニで某フリマアプリで振り込み申請した現金の端数以外を引き出し、一部を郵便局で預け、実家に戻る頃には正午を過ぎていた。

在宅勤務の母曰く昼飯がまだであり、しかも賞味期限切れのインスタント麺を使い切って欲しいという要望があったため、辛めの味付けで混ぜそば風エスニック麺を作ることにした。レモン汁をかけて味変が楽しめる仕様である。

午後は荷物を片付けつつ家事をこなしながら共通テストの勉強をするなどした。

今日の一冊

間違う力

新年一発目の本。昨年途中まで読んでいた。実はこの著者の方にはお会いしたことがある(詳細は別記事に書く)。

訳の分からない自己啓発書を100冊読むよりもこの1冊を読み込むことを勧めたい。著者の経験から導き出された10箇条とそれにまつわるエピソードは面白いが、今の生活や社会に息苦しさを感じる人にとっては救いとなるかもしれないしならないかもしれない。

  1. それまではすぐ呼ばれるかもしれないと思い、ヘッドホンをしていなかった。 []
  2. ということを後で知ったので今こう書いている。 []

文系社会人を経ての無職。からの学生。 本業は医学生、副業は無職文系。

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