何年か前の今日、三月にも関わらず吹雪にまみれながら後期試験を受けるためこの大学にいた。

今、キャンパスは違えど歯の痛みをどうにかするためこの大学にいる。

あの頃には想像もしなかったような経験を積み、想定外の事態を乗り越え、理解の範疇外のジョブ「無職」についている。いや、5%くらいはその可能性を想定していたような気がする。

何はともあれ歯である。今のままでは歯磨きもうがいもままならない。予約時間から前後することはわかっていたので、当初の予約時間の15分くらい後に呼ばれ、事情を説明した。取り敢えず仮の詰め物を外しましょうかという話になったが、ノー麻酔で外そうとすると激痛が走るため、麻酔をお願いする。最近「歯医者=麻酔」みたいになってきており、麻酔されるたびに痛みはないのに処置をされている実感がある状態になるため謎に高揚する。なんなんだ。麻酔スキーではないはずだぞ(たまにそういう人がいると聞いたことがある)。そもそも小学生の頃は処置云々以前に麻酔(の注射)が痛かったので歯医者が嫌だった覚えがある。

自分は詰め物の詰まっていないところが痛いのだと思っていたが、実際詰められたのは「私が痛みの原因だと想定していた場所」ではない場所だった。これじゃあまた痛み続くじゃん!みたいな感じになっていたが、水を飲むと滲みない。いやいやいやこれ前みたく麻酔してるから滲みないんでしょ、と思っていた。

会計を済ませ電車に飛び乗り都会に向かう。素晴らしきかな青春18きっぷ!

都会の街角を歩いていると、「彼氏は諭吉。」という身も蓋もないキャッチコピーの貼られた車が通りすぎていった。流石都会。

まずはLOFT。ここに大学時代からお世話になっている「物を収納できるクリップボード」の改良版があるとの情報を得たため、早速購入しようというわけである。何故かその過程でノートが4冊くらい増えているのは文具好きあるあるである。

その後腹が減ったなと思いつつうろうろする。家族に「花粉症が治る最強の漢方薬」を買ってきてくれと言われており、それを探しに行ったがなかなか見つからない。都会の薬局はインバウンドに焦点を当てているため、漢方薬は影も形も見当たらなかった。個人的に秀逸だなと思ったのがダイコクドラッグのテーマ曲。3か国語くらいで流れている。作ったやつ最強かよ。

空腹が耐えられない感じになってきたので飯屋を探す。いい感じに腹溜まりしつつ美味い洋食ないかなと考えて都会を彷徨っていたが飯時でもないのに人が大量にレストランの前に並んでいる。都会半端ねえなと思いつつ列の短い店に入る。ドリアとサラダを頼み、がっつり食う。

後はいつものごとく本屋に立ち寄る。本屋の入っている複合商業施設にセミナーなどを行うビジネス向けの施設があるため、就活生らしき人々がうろついていた。私も数年前はそっちの属性の人間だった。意識高そうなカフェで意識高い議論をしたりノートをまとめていたりした彼ら彼女らの前途に幸多きことを祈る。いやまあ無職に祈られたくもないだろうけど。しかも私も祈っている場合じゃない。祈れば両手がふさがる。

前々からこの本が気になっているが、読むのは学生になってからでもいいだろう。

医療現場の行動経済学 すれ違う医者と患者:honto

あとこっちも気になっているが、受験とは微妙に関係がなさそうである。

人体はこうしてつくられる ひとつの細胞から始まった私たち:honto

特に他に寄る必要のある場所があるわけでもないので、一度都会に至る前の駅に上り、その後帰路についた方が電車の席に座れる可能性が高いかなと思って上ろうとしたら帰宅ラッシュにモロにぶちあたり、大混雑不可避となってしまった。しかし読みは当たり、帰路につく電車に乗るとちゃんと座席に座れたため、読書がはかどる。途中眠ってしまったが。

 

 

文系社会人を経ての無職。からの学生。 本業は医学生、副業は無職文系。

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