無職634日目
今日の一言
今日はクリスマスである。良い子の皆はきっとクリスマスプレゼントを貰ったことだろう。
この話はまたどこかで詳しく書くつもりだが、一度目の大学生活で、フィンランドを訪れたことがある。自分の滞在した街からサンタクロースの村が近かったので、バスに乗って出掛けた。11月だったのでサンタクロースの村は繁忙期前の備えをしているかと思いきや閑散としていた。彷徨いて村の人に話を聞いたところによると、今日は日本人の団体客が来るらしいとのこと。面倒くさいのでさっさと立ち去ろうと思った。
サンタクロースの村にめぼしいものがあるかと言われると、トナカイに餌やったり「北極圏」を示す線があったりするくらいでそうでもない(その当時破産だか何だかで村が大変だったからかもしれないし、シーズンでなかったからかもしれない)。
土産物屋はあるにはあるが、それに関しては恐らくヘルシンキとかで探した方がいいんじゃないかと思う。知らんけど。
一応サンタクロースの村には手紙を出せるポストやサンタクロース関連の様々なグッズは充実している。親戚とかに小さな子供がいないのでそこはスルーした。あと「サンタクロースの村に来たよスタンプ」がパスポートに押してもらえる(有料だが1€もしなかったはずである)。それはちょっとテンションが上がる。
サンタクロースの村ではサンタに会える。話もできる。フィンランドは英語の普及率が8割を超えているため、英語くらいならサンタも話せるだろう、と思いきやバリバリ日本語喋ってきやがった。
やっぱサンタは世界中の子供達のお願いを聞くために全言語操れるんだな、といけばロマンチックな話で終わるのだが。サンタと握手した時の手のハリが当時の私とあんまり変わらなかったので、恐らくあのサンタの中身はかなり若いんじゃないかと思われる。真相は定かではない。
市内に帰る路線バス?(日本での私の知ってる路線バスの走行距離を遥かに超えた距離を運行している)を待っていたら、団体客がゾロゾロとツアーガイドに連れられていった。恐らく定年後暇と金を持て余して旅行会社に踊らされた老人達だろう。サンタクロースの前では誰もが子供に返るのかもしれないし、ただの歩けるユーロ箱なのかもしれない。一生涯団体旅行は御免だなと思いながらバスを降り、現地のスーパーで惣菜の量り売りを買った(フィンランド版オリジン弁当と私は呼んでいる。じゃがいもとチーズとクリームの惣菜が旨かった)。
その後森に関する歌を熱唱できる博物館を回ったりオーロラ見に出かけたり人生初の長距離バスが寝過ごしたらノルウェーまで行っちまうようなデンジャラスバスだったり11月なのに氷点下、かつえげつない積雪で異国の国立公園で雪に埋れかけたり(池が凍っているのを人生で初めて見た)初の本格サウナで全裸ノー眼鏡となってサウナ部屋に篭って滝のような汗を流しながら謎の木の枝振ってみたりトナカイ肉を食おうとしたらえぐみが凄すぎて私の胃が受け付けず、無理に食おうとして頭の中で六甲おろしが流れ始めたり(レストランの人とトナカイに申し訳なくなった)帰りの飛行機内で機内食に蕎麦が出て、蕎麦の食い方がわからないフィンランド人がつゆを飲もうとしていたので止めようと思ったけど止める筋合いもないよなと考え直したり…と怪しい大学生の一人旅が続くのだが、取り敢えず子供に「サンタさんはいるの?」と聞かれたら「いるよ」と答えてあげるようにしようとその時から心に決めている。