留年129日目

236日後に進路決定する限界医大生

取り敢えず今日は労働がない。朝から昨日セブイレで買って冷蔵庫に入れる前に力尽きて寝落ちしたために常温保管となり、かつ賞味期限が切れたデミグラスハンバーグドリアと一口あんぱんを食う。途中で飽きかけた。

ただ、バイトの研修で都会に行く必要があった。でもって、大学図書館の学生選書委員に応募して採用されたので、対象の書店に行く必要もあった1

つまり都会に行く理由がめちゃくちゃ出来たので意気揚々と都会に出かけたのである。

と言いたいところだが雨。小雨になったタイミングで出た。

久方ぶりの都会に心躍りつつもポイ活は進める。あと平日昼間の電車にも拘らず車内は割と混んでいた。

まずは都会の空気を吸いつつ本屋に向かう。既に大学図書館に鯉王が置きたい本は粗方決まっていた。

本屋の開店前に無事辿り着く。昔幾度となく通った道をちゃんと私は覚えていたようだ。あと朝から暴食したからか腹痛だ。

開店と同時にトイレに駆け込み、事なきを得る。その後でゆっくり本探しをした。

いやゆっくりでもない。1時間もしないうちに研修先に向かう必要があった。5冊選び、レジカウンターに持っていく。

学生選書委員の仕事を無事終えた私は自分の買いたい本も購入した。そして意気揚々と研修先に向かう。この道のりも就活の時に幾度となく通った道だ。都会のコンクリートジャングル蒸し暑く日差し照る。

研修はめちゃくちゃ高層なビルの高層階で行われた。家電量販店でのデモンストレーション接客&販売の仕事である。まずは基本的なことから解説が始まった。

……クソネミの嵐である。

いやこれくらいの内容ならe-Learningで良かったんじゃないか?などと考えながら午前の部を乗り切った。

昼の休憩ではビル近辺に出る許可を得られたので、早速コンビニを探しに行く。

ビル内が魔窟すぎてなかなか見つからねえ。インドカレー屋とイタリアンとイスラエル料理屋が立ち並ぶ妙に昭和な階とかあった。

空腹で這々の体でビル案内を見たらあっさりセブイレが見つかった。15分にも及ぶ私の苦労は一体。

セブイレに赴いてみると、此処は此処で戦場だった。取り敢えずおにぎりとサラダと飲み物と春巻きを買う。

悪意のないレジ店員「セブンイレブンのアプリをお持ちですかー?今おにぎりと揚げ物に割引クーポンがありましてー」

鯉王「えっ…(セブンイレブンアプリを起動するも、ログインエラーが出まくる)」

鯉王「いや、いいです」

研修部屋に帰り、野菜と飯を貪り食った。でも可能ならあったけえ肉が食いてえんだよな。

午後からは眠気がエスカレートした。なんとか誤魔化そうにも、商品の動画観て資料に書いてある字をそのまま読んでる講師の話を聞いていたら否応なく意識は飛ぶ。

やっぱりe-Learningの方が良いんじゃね?

そうこうするうちに実地研修として実際に現場に客として赴くイベントがあり、眠気から解放された。

帰還後はまた眠気に苛まれていたが。

午後7時にようやく解放され、都会を彷徨く。

取り敢えず肉が食いてえなどと宣いながら昔よく訪れた場所を見て回ったが、特に目ぼしいものもなかった。

地下の飲み屋街をフラフラしていると、トンカツ屋が目に入った。メニューを見るとトンテキがある。

今の私に必要なのはカツじゃなくてテキだ。店に飛び込み、トンテキ定食を頼む。店内はよく賑わっていた。

多分この様子では当分来ないだろうと思い、後期の予定を整理する。

自分が単位を落としたのは2科目だけだが、将来のことを考えると(あと授業料的に勿体無いので)既に単位を修得した科目も講義を受けにいきたい。

しかしそうなると労働とかが困るんだよな〜〜

みたいなことを考えていると、熱々のトンテキが運ばれてきた。既に事前に運ばれてきた香の物は完食している。さあ、メインディッシュだ。

白飯の上にトンテキを一切れ乗せ、頬張る。タレが甘辛く、フライドガーリックは香ばしい。キャベツの千切りもタレで食べると美味い。

赤だしも絶妙な塩加減で食欲を増進する。

トンテキはかぶりつくと柔らかく、じゅわりと脂が溢れ、それがまた白飯にめちゃくちゃ合うのである。今日1日の疲れも吹っ飛ぶ勢いだった。

食べ進めるうちに心許なくなる白飯。ふとテーブル横を見ると、「ご飯、キャベツ、赤だしおかわり無料」と書かれている。

お冷も丁度空だった。白飯を勢いよくおかわりし、残るトンテキ二切れを乗せ、タレをかける。

至福だった。

この至福具合は、前の大学で大学生をやっていた頃に夏の炎天下に他のキャンパスに1時間かけて歩いて行き、そこのキャンパスにしかない食堂でカツカレーと大盛りのサラダにありついたときに似た何かであった。そこのカレーもえも言われぬ旨さで、生ハム入りのサラダと合わせてなんとも学生に優しい値段だったのである。

肉の旨味と白飯、ガーリック、赤だし、お冷を充分に堪能し、会計を済ませて店を出た。

時刻は午後9時を過ぎた頃であり、流石に都会といえども諸々の店が閉まっていた。

一頻り開いていそうな店を回ってみたがほぼ全滅であったので、のそのそと帰路に着いた。

明日は明日でまたバイトであり、明後日は明後日でバイトである。

束の間の夏休み感を感じられた日であった。…まあ殆ど研修だった訳なんだけれども。

  1. 留年してもそういうイベントに参加できるっぽい。謎。 []

文系社会人を経ての無職。からの学生。 本業は医学生、副業は無職文系。

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